お宮参りに紐銭を用意すると聞いても、身近で見る機会が少ないと「袋には何と書くの?」「どこに穴を開ければいい?」と迷いますよね。
紐銭には地域や家庭による違いがあり、それが準備を難しく感じる主な理由です。一般的な作り方と書き方を知ったうえで、赤ちゃんのご両親や地域に詳しい方へ確認すれば、落ち着いて用意できます。
この記事では、紐銭の意味から、袋の作り方、祝い着への付け方、祖父母が包む金額の目安まで順番にご紹介します。
お宮参りの紐銭とは?まず意味と地域差を確認

紐銭は、どの地域でも必ず行うものではありません。初めて準備する方は、意味だけでなく、誰がいつ用意するのかも先に知っておくと安心です。
紐銭に込められた願い
紐銭は、お宮参りの際に赤ちゃんの祝い着へ結び付けるお祝い金です。主に大阪をはじめとする関西地方で受け継がれてきました。
昔は硬貨に紐を通して結び、「この子が一生お金に困りませんように」と願ったといわれています。現在は、お金を入れた小さなのし袋やポチ袋に紐を通し、祝い着に付ける形がよく見られます。
大切なのは、形を完璧にそろえることより、赤ちゃんの健やかな成長を願って丁寧に準備することです。
紐銭は誰がいつ用意するの?
祖父母や親戚、家族と親しい方が用意し、お宮参りの前や当日に赤ちゃんのご両親へ渡すのが一般的です。ただし、参加する方全員が必ず用意しなければならないものではありません。
出産祝いとは別に贈る家庭もあれば、紐銭を用意しない家庭もあります。すでに出産祝いを渡しているときも、まずは赤ちゃんのご両親へ「紐銭も用意したほうがいい?」と聞いてみると、重複や気遣いの負担を避けられます。
地域や家庭によって呼び方やしきたりが違う
紐銭は「ひもせん」「ひもぜに」と読まれるほか、地域によっては帯銭などと呼ばれることもあります。包む金額、袋の表書き、付ける位置にも違いがあります。
一般的な方法を参考にしつつ、次の順番で確認するとスムーズです。
- 赤ちゃんのご両親に、紐銭を付ける予定があるか聞く
- 両家の祖父母に、これまでの習慣や呼び方を聞く
- 祝い着を借りる場合は、レンタル店の付け方の決まりを確認する
家ごとのやり方が分かった場合は、その方法を優先してかまいません。分からないときは、市販の紐銭用袋を使うと準備しやすくなります。
私の家では「紐銭」と呼んでいましたが、念のため赤ちゃんの両親と着物をお願いした呉服店にも確認しました。袋を祝い着の背中側へ結ぶ方法でよいと分かり、家族みんなが安心して準備できました。
紐銭袋の作り方を紹介!穴はどこに空けて紐は何を使う?

専用の紐銭袋がなくても、慶事用の小さなのし袋を使って作れます。穴を開ける場所と紐の選び方を先に決めておくと、袋を傷めにくくなります。
紐銭の材料
用意するものは次のとおりです。
- 紐銭用の袋、または紅白の蝶結びの水引が付いた小さなのし袋
- 袋へ入れるお金
- 赤白の麻紐や紅白・金銀の水引など、丈夫で結びやすい紐
- 一つ穴パンチ、または千枚通し
- 袋の下に敷く厚紙
紐銭用として売られている袋は、表書きや穴、紐が用意されているものもあります。初めてで穴開けに不安がある方は、専用品を選ぶと手軽です。
普通ののし袋を使う場合は、何度あってもうれしいお祝いに使う蝶結びの水引が目安です。地域で使われている袋が別にあるときは、そちらに合わせましょう。
紐銭の作り方
袋へ先に文字を書き、よく乾かしてから穴を開けると、書き直しによる手間を減らせます。お金は穴開けが終わってから入れましょう。
穴は袋の左上か上中央に開ける
一般的には、袋の左上または上中央の余白に一つ穴を開けます。水引、文字、中袋、お札に当たらない位置を選び、端へ寄せすぎないことがポイントです。
一つ穴パンチを使うと、穴の形が整いやすくなります。千枚通しを使う場合は、机を傷つけないよう厚紙を敷き、袋にお金を入れていない状態でゆっくり開けてください。
穴の場所に地域の決まりがある場合や、専用袋に穴が開いている場合は、その位置に合わせます。
紐は赤白の麻紐や丈夫な水引を使う
袋の穴には、赤白の麻紐や紅白・金銀の水引などを通します。祝い着へ結んでも切れにくく、ほどけにくいものを選びましょう。
飾り用の細い糸や、表面が滑りやすいリボンは、移動中にほどけることがあります。市販の紐銭用袋に紐が付いていれば、その紐を使うのが分かりやすいでしょう。
紐銭を作るときの注意
紐を短くしすぎると祝い着へ結びにくく、長すぎると赤ちゃんの手や顔の近くへ回りやすくなります。袋を仮置きして、抱っこしたときに無理なく固定できる長さに整えてください。
穴を開けた後は、紙が大きく裂けていないか、紐が抜けないかを軽く確かめます。袋を強く振って試す必要はありません。
また、赤ちゃんの近くで千枚通しやはさみを使わないようにし、作業後はすぐに片付けましょう。
できた紐銭はどこに付けるの?
紐銭は、赤ちゃんを抱く方の肩から背中側に見えるよう、祝い着に付いている紐へ結ぶのが一般的です。複数あるときは重さが一か所へ偏らないように分けます。
祝い着の布へ安全ピンを直接刺したり、新しく穴を開けたりするのは避けましょう。生地を傷めるだけでなく、赤ちゃんの近くで金具が外れる心配もあります。レンタルの祝い着は、必ず店舗の案内に従ってください。
当日は移動の前後に、紐がほどけていないかを大人が確認します。現金の紛失が心配な場合は、記念撮影やお参りの間だけ袋を付ける方法や、中身を別に保管する方法を家族で相談しておくと安心です。
一つ穴パンチを使うと、袋の左上へきれいに穴を開けられました。当日は抱っこする人が変わるたびに結び目を確認し、撮影後は早めに袋を外して家族へ預けたので、落とさずに持ち帰れました。
お金以外にも結ぶこんな縁起物
地域によっては、紐銭と一緒に犬張子、扇子、でんでん太鼓などを祝い着へ結びます。すべてをそろえる必要はなく、家族の習慣や扱いやすさに合わせて選びます。
他にもある!結ぶ縁起物~犬張子~
犬張子は、犬の姿をかたどった縁起物です。犬はお産が軽く、子どもが元気に育つことに結び付けられてきたため、安産や健やかな成長への願いを込めます。魔よけの意味を持つとする地域もあります。
他にもある!結ぶ縁起物~扇子~
扇子は、開いた形が末広がりになることから、赤ちゃんの未来がのびやかに開けるよう願う縁起物です。地域によっては、赤ちゃんの名前や生年月日を書いた扇子を袋に納めます。
書く内容や納め方に決まりがあることも多いため、購入したお店や家族に確認すると安心です。
他にもある!結ぶ縁起物~でんでん太鼓~
でんでん太鼓には、元気で裏表のない子に育ってほしいという願いが込められています。音が鳴る縁起物として、魔よけの意味を持つともいわれます。
縁起物をいくつも付けると重くなるため、赤ちゃんへ当たらない位置か、抱っこしにくくないかを確認してください。
紐銭を祖父母から送る時の金額の相場とご祝儀袋の書き方は?

祖父母が紐銭を贈る場合も、金額に全国共通の決まりはありません。相場だけで決めず、出産祝いとの兼ね合いや両家のバランスを考えると、受け取る家族も気兼ねなく受け取りやすくなります。
金額の相場
祖父母からの紐銭は、5,000円から10,000円ほどを目安として紹介されることがあります。一方で、親戚は3,000円から5,000円ほど、友人は1,000円から3,000円ほどなど、関係によって目安は変わります。
ただし、紐銭は地域差が大きく、1,000円から5,000円ほどを中心に考える家庭もあります。
祖父母だから必ず10,000円にするのではなく、赤ちゃんのご両親へ確認し、出産祝いと合わせて無理のない金額にするのがおすすめです。
両家の金額をそろえたい場合は、事前に相談しておくと気持ちが楽になります。新札、または折れや汚れの少ないきれいなお札を用意し、複数枚なら向きをそろえて入れましょう。
ご祝儀袋は包む金額に合うものを選ぶ
紐銭は比較的少額であることが多いため、豪華すぎる大きなのし袋より、小さめの慶事用袋や紐銭専用袋が使いやすいでしょう。
一般的には、紅白の蝶結びの水引が付いた袋を選びます。市販の袋に「御紐銭」と印刷され、紐を通す穴も開いていれば、下段へ贈り主の名前を書くことで準備できます。
ご祝儀袋の書き方
濃い黒の毛筆や筆ペンを使い、読みやすく丁寧に書きます。字の上手さより、相手が確認しやすいことを大切にしましょう。
ご祝儀袋の書き方【水引の上】
水引の上には「御紐銭」と書くのが分かりやすい書き方です。地域に合わせて「ひも銭」「御祝」「御帯銭」などと書く場合もあります。
呼び方が分からないときは、家族へ確認するか、紐銭用として販売されている袋の表書きを利用しましょう。
ご祝儀袋の書き方【水引の下】
水引の下には、赤ちゃんの名前ではなく、紐銭を贈る方の氏名を書きます。夫婦連名にする場合は、中央に夫の氏名を書き、その左に妻の名前を並べる形が一般的です。
名字が同じなら、妻は名前だけでもかまいません。地域や家族の考えで祖父母それぞれの名前を書く場合もあるため、迷ったら受け取るご両親に確認してください。
ご祝儀袋の書き方【中袋の表】
中袋の表中央には、入れた金額を縦書きします。たとえば5,000円なら「金伍阡円」、10,000円なら「金壱萬円」が一例です。「円」を「圓」と書いてもかまいません。
金額欄が印刷されている場合は、その欄に合わせて記入します。横書きの欄なら「5,000円」「10,000円」のように算用数字でも読みやすく書けます。
ご祝儀袋の書き方【中袋の裏】
中袋の裏には、左下へ贈り主の住所と氏名を書きます。住所は左側、氏名はその右側に縦書きするのが一般的です。
中袋に住所・氏名・金額の欄が印刷されているときは、その表示に従えば問題ありません。中袋が付いていない小さな袋では、袋の裏面へ金額と住所を書きます。
外袋と中袋の氏名をそろえておくと、袋が分かれたときにも誰からの紐銭か分かりやすくなります。
お宮参りの紐銭で迷ったときの確認ポイント

紐銭は地域や家庭で形が違うからこそ、「一般的にはこう」と「わが家ではこう」を分けて考えることが大切です。準備を始める前と当日の二回に分けて確認しましょう。
準備前は家族と購入先へ確認する
まず、紐銭を付けるか、袋の呼び方は何か、誰がいくらくらい用意するかを家族で相談します。祝い着を借りるなら、紐銭や縁起物を付けてよいか、指定の結び方があるかも確認します。
情報がそろわない場合は、地域の呉服店や結納用品を扱う店へ相談する方法もあります。専用袋や縁起物の在庫が少ないこともあるため、お宮参りの日より早めに問い合わせると安心です。
当日は重さと結び目を確認する
紐銭や縁起物を付けたら、赤ちゃんの顔や手に触れないこと、抱っこする方が動きやすいことを確認します。移動や抱っこの交代後には、結び目と袋の数を見直しましょう。
赤ちゃんの安全と負担の少なさをいちばんに考え、重い、外れそう、扱いにくいと感じたものは無理に付け続けないでください。
お宮参りの紐銭の書き方のまとめ

この記事のポイントをまとめます。
- 紐銭は赤ちゃんがお金に困らず健やかに育つことを願う風習
- 主に関西地方で見られるものの、呼び方や方法には地域差がある
- 祖父母や親戚などが用意するが、全員に必須という決まりはない
- 袋は紐銭専用品か、紅白の蝶結びの小さなのし袋が使いやすい
- 穴は袋の左上または上中央の余白へ、お金を入れる前に開ける
- 紐は赤白の麻紐や丈夫な水引など、切れにくいものを選ぶ
- 袋は祝い着の布ではなく、もともと付いている紐へ結ぶ
- 祖父母の金額は5,000円から10,000円ほどが一つの目安
- 外袋の上に「御紐銭」、下に贈り主の氏名を書く
- 中袋は表に金額、裏の左下に贈り主の住所と氏名を書く
紐銭の書き方や作り方には一般的な目安がありますが、全国で一つに決められた形ではありません。まず家族に確認し、専用袋があれば活用すると、初めてでも無理なく準備できます。
赤ちゃんの安全に配慮してしっかり結び、当日は大人がこまめに確認しましょう。形式にとらわれすぎず、赤ちゃんのこれからを願う気持ちを大切にすれば、あたたかなお宮参りになりますよ。

